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講演・論文
2007年1月26日 「首相と訪欧」真意を明かそう

 今日から連載を始めることになりました麻生太郎です。もともと物事をハッキリ言う性格ゆえ、時としてその発言が物議をかもすこともありますが、物事をハッキリ言うことは政治家にとって極めて重要なことだと考えております。
   まあ、『どのみち足を引っ張られるなら、言いたいことを言って引っ張られた方がいいんじゃねえか』などとの思いもチラリと脳裏をよぎりますが、本質的なことはこんなことではありません。
  例えば、日本外交において武器とは何かを考えてみてください。ODA(政府開発援助)を除けば、自由に使えるツールは言葉しかありません。ウソをつかず誠意を持って本心を語り、言い続けていく。論理の切っ先を磨き、世界津々浦々に届けとばかり力を込めて語ること。一朝一夕には無理かもしれませんが、こうした事が日本に対する無用な誤解を解き、共感を高めていくのではないでしょうか。
  小泉内閣で外務大臣に就任して以来、米国のライス国務長官をはじめとして、さまざまな国の政治家や官僚などと意見交換を行ってきましたが、それなりに信頼関係が構築できたのも、ハッキリと物事を言ってきたことが大きいと思います。
  本コラムでも忌憚のない意見や考えを主張していくつもりですので、お付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
  さて、いよいよ166回通常国会が開会しましたが、これに先立ちルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、スロバキアの東欧、中欧4カ国を訪問してきました。いずれも旧社会主義国で今年1月までにNATO(北大西洋条約機構)、EU(欧州連合)に加盟した国々です。昨年11月末、私は東南アジア、中央アジア、東欧での民主的制度の定着や経済発展を重点的に支援する外交政策「自由と繁栄の弧」を打ち出しました。まあ、簡単に言えば、「民主主義は終わりのないマラソンのようなもので、最初の5キロぐらいが難所と相場が決まっている。だから、日本が伴走ランナーを務めるので一緒に走りませんか」というものですが、これを説明してきたわけです。
  時同じくして安倍晋三首相は英国、ドイツ、ベルギー、フランスのほか、EUとNATO本部を訪問、日本の首相として初めてNATO理事会で演説も行いました。
  もちろん、気の合う二人が偶然、欧州を訪問していたというわけではなく、これには大きな狙いがありました。自由、民主などの基本的価値を共有し、共通の課題に取り組む欧州との戦略的パートナーシップを強化していくことです。
  過去によく見られた首相就任後の外国訪問順序では、日米同盟のパートナーである米国訪問を優先させるのが普通でした。それだけに、「この時期の安倍首相の訪欧は異例だ」という解説や、中には「米国に最初に行くべきだ」との批判も見受けられました。
  もちろん、私も首相も日本にとって最も大事な外交基軸は日米同盟である、との考えに変わりはありません。しかし、小泉前首相の功績も大きく、今や米国との関係は戦後の中で一番良いと言っても過言ではありません。それに比べると、EUとの関係はまだまだ浅いというのが実情です。
  私が外務大臣に就任してしみじみ感じたことは、『国際社会における日本の地位や日本への期待がこれほどまでに高くなっているのか』ということでした。地位や期待が高まれば、国際社会の一員としてそれに応えていかねばなりません。そのためには、これまで以上に戦略的外交を推し進めていくことが重要ですが、今回のダブル訪問にはこうした意味合いも込められていたのです。

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